私はちょうど高度経済成長とともに育った世代ですが、子供の頃は貧しさはありませんでしたが、今ほど満ち足りてはいませんでした。ケーキなんて、誕生日とクリスマスにお目にかかったらラッキー!というのが、きっと当たり前。
そんな時代でしたから、クリスマスの一番の楽しみは、ケーキ!毎年父が買ってきもちろんバターケーキ。4.5日も前から、なぜか仏壇の前においてあって、毎晩ふたをあけてのぞきこんで、24日が来るのが待ち遠しくてたまりませんでした。ピンクのクリームでつくったバラ、チョコレートのプレート、銀色の仁丹風のかざりサンタさんも乗っていました。ある年、2段のケーキがデンとあったときは、盆と正月とクリスマスが一度にやってきたような気がして、大感激でした。
今たべると、きっとおいしくないんだろうな、バターケーキなんて。今の子は、「○○のパティシエのケーキじゃなきゃいやだ」なんていうのかな。これから先、何十年いきても、あんな些細なことで、ワクワクドキドキすることはないんだろうな。
昔を懐かしむようになるなんて、トシをとった証拠ですね。